・介護士の給料だけで老後は大丈夫なのかな
・体力的にも精神的にも働き続けるのはむずかしい・・・
・お金の心配をせずに働きたい!
仕事で関わる経験から、お金に苦労している高齢者を見ることが多くあります。人生100年時代と言われ、定年後は働きたくない、ゆっくりと自分のペースで生活したいと考える方も多いのではないでしょうか?
私は医療従事者として15年間勤めてきました。その中で、働きながら簿記3級、ファイナンシャルプランナー3級の資格を取りました。今後の生活を考えると、お金の問題は解決しておく必要があると思ったからです。
そこでこの記事では、将来の資産形成を考える上で、介護士ができる資産運用の方法を紹介します。
この記事を読むことで、NISA・iDeCoを含めた資産運用のメリット・デメリットを知ることができ、将来の生活設計に役立ちます。ぜひ最後までご覧ください。
お金の不安解消には資産形成が必要
以前、ニュースでも取り上げられていた「老後2000万円問題」を覚えている方も多いのではないでしょうか?問題の背景は、金融庁が2019年に発表した「高齢社会における資産形成・管理」という報告書の内容です。
報告書には、「夫65歳以上、妻60歳以上の無職の高齢夫婦世帯が、30年後の90歳まで生活するためには、年金収入だけでは毎月約5万円の不足が生じる」と書かれていました。平均寿命を考えると、年金だけでは2000万円不足することが考えられると報告したのです。
これに対し政府は、2000万円は必ずしも必要ではないと報告書を受け取らない対応を取りましたが、将来への不安、年金制度への不信感を持つには十分な破壊力でした。
金融庁の狙いとしては、高齢化が進む時代には資産形成が必要で、生活費の見直しや年金以外の収入源を確保することが推奨されると伝えたかったのです。
円安やインフレーションによる物価上昇の影響を肌で感じる今、今後の資産形成を考えておくことは重要と言えます。
介護士の平均給与は低い傾向、資産形成は時間が大きな武器になる
介護士の平均年収は324万であり、住む地域にもよりますが日本人の平均年収より低い傾向にあります。国税庁によると日本人の平均年収は458万、中央値は396万円となっています。
[参考:介護士の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)ー求人ボックス給料ナビ]
[参考:令和4年分 民間給与実態統計調査ー国税庁]
資産形成には複利が効くため、時間が大きな武器になります。複利とは、利息や配当にもさらに利息がつくというものです。時間が経つほどその効果は大きくなります。
優良な投資信託(インデックスファンド)で積立を行い、月に3万円を20年間、年利5%で運用したとすると約1230万になります。ただの貯蓄と比較しても約500万円の差があり、時間を味方につけた資産運用は検討する価値が十分にあります。
だれでもできる資産運用、貯蓄・NISA・iDeCoを紹介
資産運用はリスクとリターンのバランスを考え、自分に合った方法を選ぶことが重要です。次に、一般的な資産運用の方法とその特徴を紹介します。
・貯蓄
・定期貯金
・NISAを使った投資信託
・NISAを使った株式投資
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
以上を細かく見ていきましょう。
貯蓄
特徴としては、リスクがほとんどなく手軽に始められます。収入の一部を淡々と貯めていく、昔ながらの資産形成です。銀行口座を使うことで利息がつきますが、ほとんど増えることはありません。
メリット
・現金が減ることはなく、安全性は高い
・短期的な支払いに対応しやすい
デメリット
・利息はほとんどつかない
・円安やインフレーションにて、実際の購買力が下がるリスクがある
定期預金
特徴としては、一定期間お金を預けることで普通預金よりも高い利息がつきます。あらかじめ期間を決めて預け入れ、満期日までは基本的に引き出すことができません。
メリット
・現金が減ることはなく安全性は高い
・普通預金よりも金利が高い、手数料が無料、元本割れのリスクがない、預金保護制度の対象になる
デメリット
・基本的に満期が来るまで引き出せない
・運用効率が高くない
・保証は1000万円とその利息まで
NISAを使った投資信託(インデックス投資)
NISAとは、一定額までの投資に対する運用益が非課税になる制度です。NISA専用口座のつみたて投資枠を使い運用します。投資信託とは、専門家が運用するファンドにお金を預け、代わりに運用してもらうことです。少額から始められることも特徴です。
メリット
・投資のプロがリスクの軽減を考えた分散投資を代わりにしてくれる
・毎月積み立てる設定ができるため、基本的にほったらかしでいい
・複利の効果が得られやすい
デメリット
・NISA専用口座を開設する必要がある
・手数料がかかる
・市場リスクがあり、元本保証ではない
NISAを使った株式投資
NISAの成長投資枠を使い企業の株を購入し、その企業の成長に伴う利益を受け取るものです。
メリット
・株主優待や配当金を受け取ることができる
・配当金は現金が増えるので、今の生活で使えるお金を増やしたい人におすすめ
デメリット
・株価の変動があり、元本割れのリスクがある
・市場の知識、企業の経営状態を見る力が必要
iDeCo(個人型確定拠出年金)
自分で将来の年金を積み立てる制度です。運用先は自分で選ぶことができます。
メリット
・掛金が全額所得控除の対象であり、毎年の所得から掛け金全額が控除されるため、所得税と住民税が軽減される
・運用中の運用益は非課税になる
・受け取り時の優遇税制として、公的年金等控除、一時金として受け取る場合は退職所得控除が適用される
デメリット
・年金と同様に60歳を超えるまで引き出せない
・運用に伴う元本割れのリスクもある
・口座管理手数料や運用商品の信託報酬を支払う必要がある
資産運用のポイントはリスク管理、分散投資、長期視点
資産運用にはリスクが伴います。リスクを理解し、自分に合った運用方法を選びましょう。リターンが大きいものほどギャンブル要素が強いため、資産形成にはおすすめしません。
分散投資
一つの運用方法に偏らず、複数の方法を組み合わせることでリスクを分散できます。
長期投資
短期的な利益を狙うよりも、長期的に資産を増やすことを目指しましょう。複利の効果も有効に活用しましょう。
詐欺案件に注意
短期間で30%の利回り、1日10分で月10万円が受け取れる!といった案件は詐欺です。SNSや広告で出てくる甘い話しには裏があると思いましょう。
資産形成を成功させるには無理なく続けること
資産運用を始める前に、自分の生活状況をしっかり把握し、無理のない範囲で行うことが重要です。年間の収入と支出を把握し予算を立てましょう。収入を増やす、支出を減らすことで資産形成を加速させることもできます。
収入を増やす
ケアマネージャー、認定介護福祉士などの資格を取りキャリアアップすることで収入を増やす。自分をより高く買ってくれる職場に転職するなども良いでしょう。介護士の働き手は少なく需要があるため、今は転職での収入アップを狙いやすいです。
副業をする
2018年1月に厚労省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し、積極的な副業が解禁の流れになっています。注意点としては、就業規則を確認しておく必要があること、体力的・精神的な負担もあること、確定申告の必要があることです。
支出を減らす
支出を減らすことは、確実に成果が出る方法です。以下に具体的な方法を記載しました。
支出を記録する
支出を把握することで無駄使いを減らします。自動でできる家計収支アプリが手軽で便利です。
固定費の見直し
・格安SIM
・無駄なサブスクの解約
・保険を見直し、必要最低限の掛け捨て保険にする
・プロパンガスの見直し
・引越しで賃貸料を軽減する、貸主に賃貸料軽減の交渉をする
・住宅ローンの借り換えを検討する
クレジットカード・銀行口座の数を減らす
管理を簡単にすることで収入と支出が把握しやすくなります。クレジットカードは無料・永年無料と書いていても、知らない間に年会費がかかっている場合があるので注意しましょう。銀行口座解約時に、自分でも忘れていた埋蔵金が発見されることもあります。
まとめ
今回、介護士が将来の生活を安心して送るための資産運用方法を紹介しました。介護士の仕事は体力的・精神的にも厳しい仕事ですが、それに見合うほど年収は高くありません。定年後の生活を見据え、早い段階から資産形成に取り組むことが重要です。
貯蓄や定期預金、NISAを使った投資信託や株式投資、iDeCoなど、さまざまな方法があります。これらの特徴やメリット・デメリットを理解し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
また、収入を増やすためのキャリアアップや副業、支出を減らすための固定費の見直しも有効です。無理なく続けることで、将来への備えを確実にしていきましょう。資産運用は計画的に取り組むことで、着実に成果を得られます。
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